看護師におけるリーダー論【みんなが知らない看護師の仕事】
リーダーとは
①指導者。先導者。首領。
広辞苑より
②(印刷用語)点線。破線。また、点線用の活字。
③鉤素はりす。
④フィルムや磁気テープの先端部分。
このように意味はいろいろあるようだが、今回私が話したいのは、④当然フィルムや磁気テープの先端部分のことではない。
ましてや③鉤素はりすではもっとない(なんだそれは)。
リーダー看護師とは
①指導者。先導者。首領。を表すリーダーのことである。
社会に出てからだけではなく、学生だった頃にもクラスにこのような役割の人はいたように思う。
病院で勤務している者しかなかなか知り得ないことだと思うが、病棟業務の中で、「リーダー看護師」というものが存在する。
朝活ナースの考えでは、リーダーというものは以下の2つに分かれると思う。
1:「あなたがリーダーね」と誰かによってリーダーという役割を与えられた者
2:自分の振る舞いや実績でリーダー的な存在を得た者
2の場合はすでに力を備えており、周りの信頼も得ている場合が多い。(クセの強い人も多い)
しかし1の場合は、任命された者の成長のために役割が与えられていたり、まだ未熟な者が担う場合もある。
リーダー看護師はこれの1にあたる。
リーダー看護師の業務
ここから、リーダー看護師の業務について説明しようと思う。
通常の業務はリーダー看護師1名とメンバー看護師数名によって成り立っている。
メンバー看護師の仕事はいわゆるみんなが想像する「看護師」の仕事である。
患者を担当し、検温・検査・医師の指示の下の医療行為を行う。
リーダー看護師の仕事は大きく違う。
・医師からの指示を受ける(この点滴して~、この薬飲ませて~、検査追加したから連れて行って~など)。そしてそれをメンバー看護師に伝える。(急ぎの指示はすぐに、後でいいような指示はメンバーが落ち着いている時に伝える)
・翌日のメンバー看護師の受け持ち患者を組む。(重症が固まりすぎないようになど看護必要度が高い患者~低い患者をうまいこと組み合わせる)
・患者の状態変化をメンバー看護師から伝えられたら、それを医師に伝達し、指示を仰ぐ。(急変など急ぎの場合は手術中でも構わず即連絡。少し様子を見てもよさそうな場合は医師の手が空いていれば報告。報告するまでもなさそうな場合はリーダー看護師が様子を診ようと判断することもある)
・緊急入院などがあった場合は、メンバー看護師の誰に担当してもらうか決める(業務が落ち着いていそうなメンバーを把握し、入院対応を依頼する。暇そうなのに緊急入院の対応を頼むと文句たらたらのお局と戦う)
などなど、、、もっと細かい業務をあげるときりがないが、これが(朝活ナースの病院の)リーダー看護師の業務の一例である。
読んでいただければ分かるように、病棟全体を広い視野と高いアンテナをもって把握しないといけないのである。
リーダー看護師は病棟の要
しかしこのような能力はもともと持ち合わせているセンスが重要であるように思う。
リーダーが病棟全体の把握ができていないと、業務内容に偏りができ、多重業務によりつぶれてしまうメンバーが出てきてしまい、インシデントが発生したりする。
最初から完璧にリーダーの役割をこなせる者はいない。しかし、リーダー看護師を任されることで、「目の前だけの患者の看護」を看ていた者が「病棟で行われるすべての看護」を看ることができるようになるのである。
これが看護管理職に必要な広い視野につながってくると私は考えている。
自分が直接患者に何かをするわけではないが、メンバーが働く環境を整えることで、間接的に患者によい影響を与えることができるのである。
朝活ナースもリーダー看護師を担うようになってから、プレーヤーの働く環境を整えることが、看護の質の向上への一番の近道だと気が付いた。
看護師1人1人が働きやすく、やりがいをもって看護を行える職場。
それを目指していくことが重要だと思う。
さいごに
病棟全体を俯瞰し、まわしていくリーダー看護師の業務は多く、とても複雑である。
「メンバー業務に慣れたところで、また新しいことを覚えないといけない、、、」
若手ナースは思い悩むことも多いと思うが、リーダーを経験することで自己の成長につながることは間違いない。
日々悩みながら奮闘し、成長し続ける看護師みんなにエールを送りたい。
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